子供が欲しいかわからない!!

girl lady wife ・・・mother・・・ woman

子供を生んで育てるということに まったくの迷いの無い人もいる。 その1

 

今回は数字が明確なデータもないし、世の中の声みたいのでもなく、ごくごく私的な私の身の回りの主観のお話です。

前の記事にも書きましたが、私はいつか子供を生んで育てるんだろうなってことを漠然とずっと考えてきました。サザエさんのような、三世代同居とかはなくてもああいう感じで、家族や時に祖父母に見守られながらごくごく普通のママになると思っていたのです。

つきつめて考えすぎてもはや好き、と手放しでいっていいのか分からないのですが私は子供も動物も好きです。自分が責任の無い立場から、という言葉つきですが(四六時中彼らといるという体験がないため)とてもいとおしく感じます。

けれど、私が自分の子供を抱きしめて毎日「お母さん」している姿が想像つかないのです。小学生や中学生の頃無邪気に思い描いていたことはあった。けれど年齢を重ねるにつれて、結婚も出産も近くなるはずだがどんどんピンと来なくなっていった。

大学生くらいのとき、それは当たり前だとまわりに受け入れられた。でも結婚はしたいなぁとかわいい友人が言ってるのを笑顔で聞きながら、いつかは私もそんなふうに思うのだろうなと思っていた。けれど、そのふわふわとした気持ちにガツンと叩かれるような衝撃が走る。

バイトも一緒で同じ大学の先輩が学生結婚をすることになったのだ。それも大学に留学できていた海外の人と。先輩は既に妊娠していて、卒業後母になるそうだ。

私は本当に驚いた。

失礼な想像かもしれないが、そういう「結婚そのものがお姫様になるようなことだと憧れている女子」がそういう選択をするのは納得がいく。

けれど先輩はそういう人ではなかった。バイト先で仕事を説明してくれるとき、感動的なまでに無駄のない説明をした上で、私のいたらない所を私が気づかないように、自尊心が壊れてしまわないように、そんな風に教えてくれる人だった。なんというか、人間としての度量が大きく、私は大学生ともなるとすごい人に出会えるものだと思った。

先輩と二人でゴハンにいったりして、彼女とお話をするのが本当に好きだったし思慮深い優しさに何度も救われた。友人であり、先輩であり、ちょっと話し出すのに勇気がいるような真面目な話もとことん話せる人だった。

先輩の両親は大学教授をしていて、先輩も将来は大学院に進み研究をしたいと言っていた。実際に彼女の優秀さは、私の知る限りどこにいっても認められるものだった。

 

その人が大学生で結婚をして、出産をする。

 

私はその先輩の決断にあまり驚き、ちょっと言葉が出なかった。

私は大学に入って、見るものすべてが真新しくてまだ自分が自分以外の人と運命を共にするなんて考えることもできない幼い人間だった。

その時、先輩から電話があって高田馬場のゴハン屋さんで結婚の話をすることになった。

その夜のことはしっかり覚えている。多分なかなか忘れられないと思う。

私の部屋は親元から離れて一人暮らしを満喫してます、という具合に散らかって、冷蔵庫にはミネラルウォーターと化粧水と、母からもらった味噌が入っていた。あとは何もなかった。 

靴はたくさんもっていたけど、狭い玄関に散らばってひっくり返っても気にならなかった。それくらい私は、自分すら管理できない子どもだったのだ。

 

(長いので次回にまわします)